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米政府、建築物のグリーン化を推進

  • 投稿者:
  • NISORO事務局
  • 2010年12月29日

電力や燃料の調達に年間250億ドルも投入しているアメリカ政府は、同国経済で最大のエネルギー消費者であり、世界規模でもトップクラスだ。アメリカ政府がリースまたは所有している建築物は、オフィス・スペースを筆頭に、スーパーコンピューター施設、病院、航空路監視レーダー施設などその数は50万にも及ぶという。


米政府、建築物のグリーン化を推進


ここ数年、アメリカがエネルギー政策の大きな転換期にあることは明らかだ。連邦議会は1978年以降、コスト削減や輸入石油依存からの脱却、民間部門における省エネ促進などを目指し、さまざまなエネルギー効率の目標を設定している。

 バラク・オバマ政権もエネルギー政策に積極的な姿勢を見せている。その一環として、政府機関の建築物のグリーン化のため、来年9月までに45億ドルもの補助金を投入する予定だ。また2020年までに、温室効果ガス排出量の28%削減を目標とする大統領令も出されている。

 アメリカ政府一般調達局(GSA)の公共建築物検査官ボブ・ペック氏は、「アメリカの建築基準の今後を示す実験場になるだろう」と話す。同組織は、政府機関で使用する不動産の管理や物資調達を統括している。「省エネのもたらすメリット、そして太陽光発電や高機能スマートメーター、太陽熱などの新技術がいかに効率的、効果的であるかがよくわかる」と同氏は説明する。「この施策に期待している。エネルギー政策で追随する立場にあったアメリカが牽引役へと躍り出る絶好のチャンスにもなるはずだ」。

 1970年代のエネルギー危機を契機に議会でエネルギー目標が初めて設定されてから、アメリカ政府による消費引き締めは一定の成果を上げてきた。例えば、政府建築物の1平方フィート(約0.0929平方メートル)あたりの使用量は、1985年以降30%近く下落した。他方、一般の商業ビルでは対照的な傾向が見られた。最新の統計資料によると、1992年から2003年にかけてエネルギー集約度(GNPあたりのエネルギー消費)が13%上昇したという。

「この数値は衝撃的だと常々思う」と話すのは、企業、政府、環境団体がエネルギー効率化の推進を目的に結成した非営利組織「エネルギー削減同盟(Alliance to Save Energy)」のプログラム担当副代表ジェフ・ハリス氏。「取り組みがこれまでもある程度の成果を上げているのは間違いない」。

 しかし、解決すべき課題は多く残っている。大規模なエネルギー効率改善は達成されたが、防衛、安全、科学など多量に消費する部門が多いため、1平方フィートあたりの使用量が民間部門と比べてまだ30%も高いからだ。また、効率化の進捗が鈍化傾向にあるのも明らかだ。政府用の新規建設や改修工事のために、GSAに割り当てられる予算は年間10億ドル前後。この予算内で効率改善が求められるが、同国エネルギー省の連邦エネルギー管理プログラムで昨年発表された報告書によると、政府全体のエネルギー集約度の改善が2008年はわずか1.2%だった。これは連邦議会とジョージ・W・ブッシュ前大統領が定めた年間目標値3%の半分にも届いていない。報告書には、「従来の方針では今後数年間で目標を達成する見込みはない」と記されている。

 アメリカ復興・再投資法の下で総額55億ドルの資金投入が予定されている政府建築物プロジェクトは、従来の省エネ手法からの脱皮を目指す。45億ドルを建築物のグリーン化プロジェクトに費やすと規定。70の太陽光発電プロジェクト、スマートメーター設置のビルディング250棟、照明の改善200件、屋根の改修190件、水保全事業250件など(数字は概算)、さまざまなプロジェクトが対象となっている。

 ワシントンD.C.のホワイトハウスから程近いGSA本部では、1億6000万ドルを注ぎ込んだ大規模な改修工事が来年1月から始まる予定だ。新しいE字型をした建築物には、元々備わっていた機能の一部が再利用される見通しで、例えば広々とした中庭には、1917年の初代に備わっていた自然利用の照明や換気システムが復活するという。

 新しい自然換気システムは、既にカリフォルニア州サンフランシスコのGSAオフィスや米国エネルギー省のコロラド州ゴールデンにある国立再生可能エネルギー研究所などで採用されている。また、アメリカ政府は2000年以降、グリーンビルディング協会の「エネルギーと環境に配慮したデザインにおけるリーダーシップ(LEED)」プログラムの下で310の政府建築物を持続可能な建築物として認定しており、現在も3500件以上が認定待ちの状態だ。「認定された建築物はグリーン建築の模範といえる」と、建築審議会で政府部門プログラムのディレクターを務めるメリッサ・ギャラガー・ロジャーズ氏は話す。

 GSAは10月下旬に、新しい政府建築物すべてと相当数の改修プロジェクトに対し、2003年から実施されていたLEED「シルバー」認証の上位に当たる「ゴールド」認証への適合を義務付けると発表している。「省エネを求める声がますます高まっているのを実感している。われわれは今後も前進し続け、高い成果が得られるよう働きかけていくつもりだ」とギャラガー・ロジャーズ氏は述べた。

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