• 環境問題とSORA-WEB
  • SORA-WEBレゾナンスが注目する、そら祭りと関係のある環境問題や様々な取組みをご紹介します。

COP16、交渉のカギは“緑の成長”

  • 投稿者:
  • NISORO事務局
  • 2010年12月04日

メキシコのカンクンで開幕する国連気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)に先立ち、ナショナル ジオグラフィックはイボ・デ・ボーア氏とインタビューする機会を得た。デ・ボーア氏は、温室効果ガスの排出削減に関する国際協定を目指す困難な取り組みの表舞台で、4年にわたり活躍した人物だ。


COP16、交渉のカギは“緑の成長”


同氏は2006年から2010年7月まで、オランダ外交官として「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)」の事務局長を務めた。その後は、国際的なコンサルティング企業KPMGに所属し、気候変動や持続可能性について世界中の企業にアドバイスを与えている。COP16に関しては、各国が排出削減による“緑の成長”モデルを信じ、2009年12月にデンマークのコペンハーゲンで開かれたCOP15の二の舞は避けるべきだと語る。COP15では、法的拘束力のある条約の策定を目指したものの、失敗に終わった。

ナショナル ジオグラフィック(以下NG): 化石燃料の排出ガスを削減するための国際条約は、まだ存在していません。それでも、気候変動の問題に取り組むべきというあなたの助言に企業が関心を示す理由は何ですか?

デ・ボーア氏: 企業が動き始めた理由は、気候変動がもたらす課題は深刻で、ビジネスモデルにも影響を及ぼすと気付き、今こそ革新が必要だと認識したからです。新たな国際条約は実現していないかもしれませんが、国単位では企業に行動を促す法律が既に策定されたところがあり、策定を進めている国もあります。

 企業や政府は気候変動を独立した問題とは考えていません。世界人口の増加が引き起こす、エネルギー価格の高騰やエネルギー安全保障のリスク上昇、資源不足と密接に関係するととらえているのです。

NG: 気候変動交渉において、産業界がもっと大きな役割を担うとどうなるでしょう? 産業界に任せるのは危険だという意見もあります。

デ・ボーア氏: 国際エネルギー機関(IEA)によると、今後20年でエネルギー分野には計20兆ドルが投じられ、その85%を民間部門が担う見通しだそうです。

 産業界は問題解決の要です。ただし当然ながら、企業が最も大きな責任を負うのは株主です。企業のリーダーは概して、利他的な目的を果たすために選ばれるわけではありません。したがって、問題解決には民間だけでなく、公的な取り組みも必要になってきます。それぞれ役割は違いますが、重要性は同じです。

NG: カンクンでのCOP16に期待するとしたら、どのようなことですか?

デ・ボーア氏: COP16をきっかけに、気候変動交渉の焦点が市場原理に基づくメカニズム導入に移行することを期待します。問題に取り組む国や企業が利益を得られるような国際金融の構造を作るべきです。

NG: 興味深いことに、アメリカでは多数の企業が気候変動の抑制を支持すると明言しています。ところが、政治プロセスはそうした方向に動いていません。なぜでしょうか?

デ・ボーア氏: 世界に共通する問題の1つは、排出削減と成長が両立できるという主張に十分な説得力がないことです。政治家がリーダーシップを発揮して適切な政策を実行していく必要がありますが、世論の後押しが得られず、困難な状況にあるようです。

 UNFCCCの事務局長に就任したばかりの頃、インドの環境相から次のように言われたことがあります。「私をこの職に選んでくれた国民は、気候変動のことなど気にしていません。彼らが心配しているのは、次の食事にどうやってありつくかです。“気候変動が進めば次の食事はないかもしれない。あったとしても、間違いなく今より値が上がる”と説得できないと、この問題に関する支持は得られません」。

コメントはまだありません »

コメントはまだありません。

この投稿へのコメントの RSS フィード。 TrackBack URL

コメントする