
(水面を覆い尽くす外来種ボタンウキクサ)
動植物がもともといたのか、他の地域から来た外来種なのかを調べてみよう。例えば赤いはさみを振り上げるアメリカザリガニ。川や池でなじみ深い生き物だが、名前の通り北米原産だ。このザリガニは水草を食い荒らして自然環境を少しずつ変えてしまい、もともといたゲンゴロウがいなくなるなど生物多様性を脅かしていることが、最近わかってきた。
外来種の植物も川で目立つ。白い花のミズヒマワリや黄色い花のキクイモの仲間は水際など川の周辺に群落をつくり、アフリカ原産のボタンウキクサは水面を覆い尽くすなどして、在来種の植物の邪魔をする。特にミズヒマワリは愛知県や西日本のほか、近年は関東各地に分布を広げつつある。
こうした外来種の悪影響は、天敵がいないまま動植物が進化した海洋島で特に現れやすい。世界自然遺産登録を目指している小笠原諸島(東京)では大問題になっている。
オオヒキガエルは体長10~15センチほど。中南米など原産で、もともとはオオムカデを駆除する目的で持ち込まれた。だが、小笠原にだけ生息している固有のカタツムリや昆虫類を絶滅の縁に追い込んでいることがわかった。このため、オオヒキガエルの繁殖を阻止しようと、柵を池の周囲に張り巡らして入り込めないようにするなど対策が取られている。
日本自然保護協会で小笠原を担当する辻村千尋さん(42)は、「ひとたび外来種が入り込むと、それを取り除くことや在来種の動植物を守ることは大変難しく、これは小笠原だけでなく全国共通の問題だ」と指摘。そして「ただ、外来種の生き物に罪はなく、人間側に責任がある」と付け加えた。
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