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大西洋ゴミベルトは拡大していない?

  • 投稿者:
  • NISORO事務局
  • 2010年08月24日

大西洋の“ゴミベルト”を分析したところ、過去20年間でプラスチックゴミの量が増えていないことがわかった。一見朗報のようだが、実際はどうなのだろうか。

大西洋ゴミベルトは拡大していない?
大西洋で採取されたモンガラカワハギの死体の胃の中から、47個のプラスチック片が見つかった。



太平洋ゴミベルトと同様に、北大西洋のゴミベルトは“プラスチックのスープ”とも言うべき一帯で、「スープと呼ばれるのは、あちこちに漂うプラスチックが野菜に見えるからだ」と、アメリカのマサチューセッツ州ウッズホールにある海洋教育協会(SEA)の海洋学者カラ・ラベンダー・ロー氏は話す。

 とはいえ、大西洋のゴミのほとんどは小さなプラスチック片で、ゴミ埋め立て地から風で飛ばされたり海に投げ捨てられたりしたビニール袋やペットボトルが粉々になったものだ。こうしたプラスチック片は北アメリカの海岸から数百キロ離れた外洋を漂っているが、その正確な位置や面積はまだはっきりしていない。

 ロー氏の研究チームが今回、過去22年間に収集された大西洋のゴミベルトに関するデータを分析したところ、このゴミベルトに集まるゴミの量は22年間で増えていないことがわかった。

 しかし、リサイクルの普及を考慮に入れたとしても、プラスチックの使用量はこの20年間で増加している。プラスチックはどこに行ったのだろうか。

 サイズが小さすぎて収集できないプラスチックゴミもあるとロー氏は説明する。「網で収集できるのは3分の1ミリより大きなゴミだけだが、プラスチックがそれより小さな破片に分解されていることは間違いない」。

 また、海中を漂う小さな動植物であるプランクトンと勘違いして海洋生物が食べてしまったプラスチックゴミもあるかもしれない。さらに、海洋細菌のコロニーが付着した重みでプラスチック片が沈んだことも考えられる。

 アルガリタ海洋研究所のアンナ・カミンズ氏とマーカス・エリクセン氏が率いる研究チームが2010年に行った別の調査では、ゴミベルト付近に停泊し、プラスチックが海底に沈んでいるかどうかをサンプル収集装置で確認する予定だったが、悪天候のために途中で調査を中止したとカミンズ氏は説明する。

 SEAのロー氏によれば、石油製品の製造時期を特定する化学的手法は確立されていないため、個々のプラスチック片が作られた時期を知る方法はない。そのため、本当に魚が食べたり海底に沈んだりしたためにゴミの量が増減していないように見えるのかは、ほとんど確認不可能だ。

 また、プラスチックがどこから来たのかを突き止める方法もないのが現状だ。ロー氏は、「Made in the U.S.A.と刻印されたコーラのボトルは見つからない」と話す。海洋循環のコンピューターモデルは、ゴミベルトに最も早く到着するルートがアメリカ東海岸を起点とするルートであることを示している。一方、SEAの調査はバミューダ諸島の東1600キロ以上に渡って行われたにも関わらず、「ゴミベルトの東端は見つかっていない」という。

 アルガリタ海洋研究所の調査は、さらに東にあるポルトガル沖のアゾレス諸島まで行われたが、「バミューダ諸島からアゾレス諸島までの海域全体に渡ってプラスチックを採取した」とエリクセン氏は話す。

 SEAのロー氏は次のように付け加える。「全体的には、率直に言って悲観的にならざるを得ない調査結果だ。多くの人は、よかった、ゴミベルトは広がっていないのだと安心するかもしれないが、私は拡大していると確信している」。

 この研究は「Science」誌オンライン版で2010年8月19日に公開された。

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